恥の多い生涯を送って来ました。

生き辛い私が日々感じることを残していきたいと思います。

1ヶ月ぶりの港町

みなさんこんにちは。私は海の無い埼玉に住む伊達かなるです。お世話になります。

私も含め平均的埼玉県民は休日になると海を求めて埼玉を飛び出し、茨城の大洗、千葉の幕張、神奈川の湘南辺りを目指します。それに加えて平日は高賃金を求めて花の都大東京へ出稼ぎに行っているわけですから、県民の身体が埼玉に在るのは寝る時だけです。この事から埼玉は寝るためだけに帰る簡易宿泊所と言えそうです。

私も含め平均的埼玉県民は勤勉です。移動時間も無駄にせず、グリーン車内ではデスクワークをします。ちなみにグリーン車に乗るのは初めてでした。列車内のシートの配置はまるで新幹線なのに走るスピードや車内アナウンスが鈍行列車と同じなので不思議な感覚です。なお、車内はガラガラです。私も今年の春の料金改定の事を知っていたら新幹線を選びました。

一ヶ月ぶりに港町へ帰ってきました。その間、私は埼玉での慣れない生活に悪戦苦闘していましたが、以前よく利用していた三枚橋手前のすき家や図書館は何事も無かったかのように変わらずそこに在ることを確認できました。それは未だに楽しかった港町での暮らしに執着している私にとって駅前で別れた他の観光客達が真っ先に向かった沼津港へ行くよりも価値のある事なのでした。

過去への執着は煩悩の種となりますから穏やかに生きるには本来は避けるべきです。然し、次のステージへ進むためには、楽しかった過去にすがりたい心理的状況にある自分がいることを客観視して、認めてやることも必要だと思うのです。

梅雨真っ只中の本日はあいにくの天気ではありますが、諦めてはなりません。「びゅうお」に行けば雨に濡れずに海が眺められることを元港町の民である私は熟知しているのでした。

ただ、びゅうおに来たものの、そこには私の求める海はありませんでした。潮の香りや波の音を感じられなければ、それはテレビから流れる映像を見るのと、さして変わりが無いのでした。

幸い雨が止んでいたので、我が魂の故郷、千本浜へ歩いて向かうことに致しました。やはりこの圧倒的ライブ感が海には必要です。悪天候にも関わらず、延々と防波堤に座っていられました。港町特有の強風が私の中にある一切の煩悩を吹き飛ばしてゆきます。

最近の私はキビキビとした首都圏の人々に染まり、いささかストイックだったかもしれません。せっかく港町で培った適当なところで切り上げる「いいにする」というマインドを今の今まで忘れていました。