式場に着いたが、私は皆の輪の中に入れず、外のベンチから眺めている。人種が違う。一般的に幸せと定義されている子持ちの夫婦が場を席巻している。子供こそ幸せの象徴だと信じてやまない彼らに、仏頂面でマインドフルネスをかましている私はどのように映っているのだろうか。
ただ、いざ式が始まると結婚式に参列してよかったと思えた。学生時代から知っている友人の成長を間近で見ていて、不覚にも涙がこぼれてしまった。幸せの輪の中にいる彼を眺めていて、本当に良かったと思っている。いずれ子供も授かって幸せな家庭を築いてほしいと心から思っている。
私の友人代表スピーチはというと、宣言したとおり酩酊状態で行われた。緊張して声が震えるなんて無い。もう1人の私は恥を晒すことに抵抗がなく、声を張り上げ、場を盛り上げるためにいじられキャラに徹していた。我ながら素晴らしいライブであったと思う。