恥の多い生涯を送って来ました。

生き辛い私が日々感じることを残していきたいと思います。

読書感想文「コンビニ人間」

本作は2016年の芥川賞受賞作品であり、当時はまだミーハーだった私も一応は手に取って読んでみたのですが、その時と今では共感の度合いが違いました。それもそのはず、約8年の歳月を経て私は主人公の年齢に追いつき、そして今もなお未婚であり、35歳で未婚だと周囲からは奇異の目で見られ、「結婚しないの?」と心配されるからなのでした。

成り行きでパートナーと巡り合い、成り行きで子宝に恵まれ、成り行きで温かい家庭を築き、成り行きで社会的に一人前と認められた人々は縁に恵まれただけに過ぎません。自分の巡り合わせが良かったものですから、それに縁遠い者の苦悩が分からないのです。ですので彼らに悪気が無いことは分かるのですが、「結婚しないの?子供欲しくないの?」と、さもそれが「普通」の人間の生き方のように聞かれたら私は複雑な気持ちになります。自分なりに一生懸命に生きているつもりなのに私は人の道を外れているのだろうか、不真面目なのだろうかと考え込んでしまいます。作中で私と同じ境遇の白羽が「外に出たら僕の人生が強姦される」と嘆くのですが、その通りだと思います。「普通」の外にいる人間にはあまりにも世知辛い世の中です。然し、社会的に半人前とされる私達にも生きる道はあるのだとこの作品は主張しており、勇気づけられました。

雲のない空の下〜🎵

YouTubeの視聴をしていると広告が流れますが、なぜ私に向けてマッチングアプリの宣伝が流れるのでしょうか。私は誰かとマッチングしたいなどと、ネットサーフィンした覚えはありません。これはつまり、社会ぐるみで私を「普通」の人間に更生させようと仕向けているということでしょう。現在、私は35歳。日に日に生殖機能は衰えています。それでも社会的に一人前と認められるべく、「普通」の人間になるべく行動を起こさないわけですから、これが現時点での私の答えなのだと思います。股の間にぶら下がるもう一人の私が「ちょ、待てよ!」と言っておりますが、知りません。

私は自らの「普通」を信じて、自分にできることを今日も精一杯やるだけです。