夏目漱石の「坊っちゃん」を読んで衝撃を受けたのが、当時氷水が高価であったこと。それをきっかけに大正時代の生活について興味を持ったので「大正期の家庭生活」という本を図書館で借りた。
大正期の食事
・米(麦や芋と混合)、香の物、味噌汁がスタンダード
・それに加えて月に二度だけ、鮭の切り身か干しイワシがつく。卵も病気見舞い用であった。
・弁当のおかずは梅干や漬物だけが多く、地主は鮭やたらこを食べた
・ちりめんじゃこ、椎茸高野豆腐の煮物、芋の煮物、炒り卵、海苔弁、切干大根がおかずについたと別の記載にあった
・牛乳は滋養のためになる
大正時代の飲食店
蕎麦屋、汁粉屋、寿司屋、菓子パン屋、洋食屋、小料理屋、アイスクリーム屋、焼き鳥屋、肉フライ屋、おでん屋、ワンタン屋
大正時代の贅沢品
卵、牛乳、米、肉、豆腐、牛鍋、キャラメル、チョコ、カステラ、アイスクリーム
大正時代の娯楽
園芸、絵画、三味線、俳句、ジャズ、習字
大正時代の生活
貧乏暇なし。最多の職業は農業。休日という概念は無かった。毎日生きるため、食べるために必死だった。その時代を生きた者に若い頃楽しかったことを聞くと「朝早くから夜遅くまで仕事に追われているだけだった」「食べることだけ」「冬コタツに入ってウツラウツラできた時が楽しみ」と答えた。
感想
当時は現代と違い、職業の選択など無く、結婚して子供を授かる選択肢しか無く、余計な事を考える暇など無く、食うために働くだけで将来の不安は無かったのであろう。将来は子供が面倒を見てくれる。そのため、メシを食わせてもらうために、介護してもらうために子供をたくさん授かるのがマジョリティだった。この図式は今のベトナムに似ている。
今の日本で同じことはできない。少子化で税金は重くなり、生活が苦しいと嘆き、自分ひとりで精一杯と思う人が多く、独身者も多くなっている。大半がそう思っているのだから今後も少子化は続き、税金も重くなっていく。私ができることは、老後の資金を少しずつ貯めておくこと。身の丈にあった生活をすること。当たり前に続く毎日に幸せをを感じること。